2009/07/20

ひとり身

 ナルボンヌから帰って来てからの2日間は、大忙しだった。ノエミが17日から29日までキャンプに行くので。
 《キャンプ》と言ってもテントなんかない。食事だって自分では作らないし、洗濯機まであるらしいし、JPのお母さんったら、「みんな持ってるんだから」と言って携帯電話まで買い与えてくれちゃったので、《キャンプ》とはほど遠いキャンプだ。
 毎年春になるとJPの職場から、夏休みのこどもたちのための、いろんな活動が提案されているカタログが届く。これまでにもノエミは、乗馬キャンプや、マリンスポーツキャンプなどを経験し、3週間も帰って来なかった夏休みもあった。今年はバンドデシネ(フランス式漫画)を習う授業が毎日組み込まれているキャンプを選んだ。同じ職場の人たちの、そのこどもたちが全国から集まって来る。場所はバンドデシネの博物館やフェスティバルで有名な、アングレムという町で、うちから電車で行ったら5時間ぐらいだと思う。

 ただ、係りの人たちと、全国から集合して来るこどもたちの引率の便宜上(?)、ノエミはいったん飛行機でパリに行ってから、みんなと合流して新幹線で南下するという、とんでもないコースとなった。このごろ飛行機が次々に落ちているので、ノエミはしばらく前からストレスを溜めていたが、12歳なので空港内と飛行機内で、世話をしてくれるベビーシッターは無し。特別なバッジとかそういうのもなし。トゥールーズからエアフランスに乗って、パリまで飛んで行った。乗るまではオンボロなのか、古い機種なのかなんてわからない。不安。
 飛行機は6時15分出発だったので、5時15分のチェックインに合わせて、3時15分に起きた。

 9時頃「わたし、パリに着いた」というメッセージが携帯から携帯に送られて来た。
 11時半に「今、みんなと新幹線待ってる」という内容のメッセージ。主語が複数形になったので、ホッとした。
それっきり、ぷっつり。
 子離れできてない母としては、携帯もあることだしと思って、じゃんじゃんメッセージを送っている。しつこくしている。そして娘と言うと、1日に1回だけ、「げんき」というメールを送って来る。
 向田邦子の本の中に、彼女の妹が疎開先から父親に葉書を送って来るというお話があって、手紙を書けない幼い妹は、元気な時は大きな丸、調子悪い時には小さい丸という風に、はがきに丸を書いて毎日お父さんに送ったんだよ。。。と、そういう話しをノエミにしたばかり。どんな形でもいいから、元気にしているかどうなのか、やっぱり知りたいものだなあ。ノエミはけっこう自立していて、苦難を乗り越えるのが上手な方だから信じたっていいのに、やっぱり心配なのだなあ。かわいい子には旅をさせろって言うじゃあありませんか。それにしても、携帯もメールもなく、国際電話もとっても高かった時代に、ずいぶん遠くまで行ってうろうろしていたわたしは、しかも、いつもお金がなくて、いつもおっちょこちょいだった自分は、ずいぶん親に心配をかけたんだろうかなあ。

 さて、ゾエもノエミもいなくなり、JPも連休が終わって仕事に戻ってしまったので、せっせと医者に通いながら、じゃんじゃか本を読んでいる。

 例えばこんな本

注文してたのがやっと届いた。国によって地域によって、習慣や体型によって、道具が変わって来るという研究の本。社会学、民俗学の分野で、『たたずまいの美学』の参考文献になっていたので買ってみた。生活習慣や道具が変わると、身体の使い方動かし方も変わる。そういうことにとっても深い関心を持っていて、フランス人と日本人の身体技法の違いを指摘することを、なんとか剣道の指導に結びつけたいと考えている。いろいろと難しいことを考えながら剣道やっているので、ぜんぜん上手にならないんだろう。


 友人《か》の影響でhttp://ameblo.jp/cocoro358/、斉藤一人さん(銀座まるかんの社長さんで、長者番付ずっと5番以内という商人)と、五日市剛さん(「ありがとう」が魔法の言葉だと言ってる人)に興味があったので、友人《か》のお奨めで買ってみた本。注文した本屋さんが「ずいぶん怪しい本ですが、いいんですか?」と問うてくれた。
 自分の理解できない分野は、つい「怪しげな世界?」と思ってしまうのが人の情なので、とりあえず、味見してから考えることにしている。本を読むぐらいだったらいいのでは?
 この前玄関に現れたシューキョーの人に「味見してみないと、好きかどうかわからないじゃないの」と言われ、「うまいな〜」と思ったが、さすがに集会場に行ってみる勇気はなかった。じつは簡単に丸め込まれる方なので。それについての自分の弱点は、もう痛いほどわかっているので、某プラスティック容器とシューキョーの集会場にだけは近寄らないようにしている。
 ところで、おもしろいことがいっぱい書いてあった。しあわせになることを信じる人は、強いンだな〜とあらためて気づかされた本。
 

 15歳の少年に中学生でも読める日本文学を紹介してと言われ、とっさに『我が輩は猫である』を紹介してしまった。JPが15年ぐらい前に「ワタシ ハ ネコデス をよみました。おもしろかったです」と言っていたことがあったので、フランス人でも楽しめるんだったらいいやと思ったのだが、15歳の少年でも大丈夫だろうか。夏目漱石作品は、前半だったらまあ、好き。後半の『夢十夜』とか、かなり難しいと思う。でも、『夢十夜』って、中学3年生の教科書に出ていた。母校に教育実習に行って教えた。『我が輩は猫である』のなかで、猫が「庭の木に登るのは簡単だけど、降りるのへけっこうテクニックが必要だ。」。。といって、木の降り方をながなが解説する部分があって、その部分は中学校の国語で習った覚えがある。だから、15歳の少年でも大丈夫だろう。紹介した手前、内容について質問されたら困るので、いちおう、読み直し。


 わたしが武道教育について模索していると知り、姉が読んでから送ってくれた本。悩んでたわけじゃないけど、この歳になったら嫌でも《指導者》をやらされる。だから、口達者で頭でっかちなフランス人に対抗するには、勉強に勉強を重ねておかなければ、ありとあらゆるとんでもない質問に対応できない。 いろいろと参考になった。
こんど実践で!



 もともと英語で書かれた本なので、世界中で読まれている。宮本武蔵の『五輪の書』と並んで、「剣道やってるならこれぐらいは読んでるだろう」と思われている本。これも姉が送ってくれた。でもこれ読んでると眠くなる。翻訳がまずいんじゃないかと思う。書かれてあることがよくわからない。なので、斜め読み〜〜。

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