2009/06/08

 週末は農家で


          草原の羊の群と子どもたち


          屋内の羊、屋内だけど広々とした放し飼い


          谷を越えて、丘の向こうから見た農家
          「これからの生産、これからの消費」について討論中 

 毎週1回、無農薬野菜を買っている農家は、アマップという全国ネットの組合みたいなものに入っている。日本のいわゆる≪提携生産者≫と≪共同購入会≫の関係が、リッシャーとわたしたちの関係ではないかと思う。この組合の見本は日本の仕組みをもとにしていると言われたから、そうなんだろう。
 今年の冬は野菜が少なく、一番寒い数週間には野菜をもらえないこともあった。それでも共同購入者は年間費を払っているので、収穫のないときにリッシャーの仕事と生活を経済的に助けることができた。よい季節がやってきて、この頃では毎週毎週、山盛りの野菜を運んでもらっている。

 金曜日は月例の夕食会の日だった。持ち寄って、リッシャーの農場で晩餐会となった。リッシャーが手作りしている飲み物がふるまわれ、みんなは農場で作ってもらった新種の野菜などをつかった、自慢料理を持ち寄った。
とても寒く、おまけに夕方には2時間に30センチもの雨が降ったような日だったので、にんじんの葉っぱで作った即席スープが美味しかった。

 土曜日は、草刈りの手伝いをすることになっていたので、少々の雨なら大歓迎なのだが、こんなどしゃ降りだったらどうする?とみんなで顔を見あわせた。

 土曜日。お天気は良くはなかったけれども、前日のような大雨ではなかったので、JPとゾエは草むしりの手伝いに出て行った。
 雨が降ったりやんだりしたので、外の畑と、ビニールハウスとを交互に、二十人ぐらい集まっての草むしりとなったらしい。ゾエは、ラディッシュをひと束もらってきていた。ゾエが自分で抜き取ったらしい。土がたくさんくっついていた。

 日曜日。県内のアマップメンバーが集まっての、大ピクニックの日。会場はわたしたちの知らない農場だった。県内にある10ぐらいのアマップが集まったのは、野菜の農家ではなくて、お肉の提携生産をしている農場だった。羊のお肉を卸している農家だ。ほかにも、リンゴの生産をしている人、ニワトリの生産をしている人たちも集まっていた。

 リッシャーが完ペキ・ベジタリアンのせいか?リッシャーの農家に集まっている人たちのほとんどはベジタリアンかそれに近い暮らしを目指している人たちが多いので、わたしたちのグループではお肉は購入していない。秋から冬にかけての数ヵ月間、ひと月に5キロのリンゴを購入した。冬にはリンゴしか食べないと言っても過言でない我が家では、一カ月に5キロのおいしいリンゴはとても助かった。

 ピクニックには、副菜とデザートを持参することになっていた。持って行ったコップに飲み物を注いだら、自分で飲まずに知らない誰かにプレゼントし、自己紹介をし合うことになっていた。みんな胸には名前を書いたシールを貼った。
 わたしに飲み物をプレゼントしてくれたピエールさんは、イスラエルのキブツで、昔、日本人のシンゴさんという人と友達になったんだよと教えてくれた。イスラエルにまだ壁も大きな建物もなく、大自然の中で人々が豊かな食物を生産していた時代だったよとさびしそうに語っていた。シンゴさんは、今でも日本で農業をやっているかなあと空を見上げた。ピエールさんは、羊のお肉のバーベキューを受け持っていた。白ワインとバニラと、炭酸水とレモンをミックスした自家製カクテルで乾杯した。子どもたちのコップには、ぶどうとリンゴのミックスジュースに、イチゴが浮かんでいた。

 大人たちが「これからの生産。これからの消費」について討論会をするというので、子供たちにはトラクターでのドライブが提案された。子どもたちはトラクターに乗って、谷を越え、丘を登って、農家の向こうに見えていた牧場に向かった。そこには羊が群れをなしていて、大きなロバが無限に広がる草原で、のんびり草を食べ続けていた。

 ノエミが、隣で羊が寝てるのに、食べることなんかできないと言ってバーベキューに手を出さなかったことと、ロバに近づきすぎて、手を噛まれた以外は。。。。。。
 とっても良い一日だった。

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