2008/11/26

彦根へ


 
子どもたちとJPは、予定通りに名古屋に着いた。
 どんな格好で現れるか心配していたのだが、JPはちゃんとアイロンの掛かったTシャツを着ていた。ヨーロッパから朝到着っていうのは、大人でもきついのに、3人は、さっさと名古屋に行って遊ぼう!と言っている。

 名古屋で知ってる所と言ったら、名古屋駅と高島屋とマリオットホテルぐらい。昨日探しておいた、大きなスーツケースを預けることのできるロッカーに行って、みんなの持ち物を預けた。
 ゾエがおトイレに行きたいというので、わたしは《自分の庭》みたいな顔をして、
「さあ、わたしが泊まってたホテルのトイレに案内するよ」
ついでに、ホテルの上の高級レストランに食べに行くふりをして、ロッカーに入らなかったバッグをホテルのボーイさんに預けるという芸当までやってみせた。昨日もお世話になったので、覚えていてくれて、だから心良く預かってくれた。(今日も泊まってると思ったんだろうなあ。。。)

 ホテルのトイレで過ごしたあとは、高島屋8階で行なわれている《フランス展》見学〜。《フランス展》に並ぶ高級品を見て、
「こんなの、フランスでも使ってる人見たことないナ」
「だってそんな高級なもの使うような人知らないじゃん」
「パパ〜。これ買って〜」
「日本でフランスのもん買うフランス人がいるかね」
「5万6千円か。。。ええっ。。。500ユーロ?これが?」
などの親子の会話が飛び交っている。たしかにこんな非日常的な日用品を見ると、日本のみなさんは「おフランスに住んでいる人はみんなフランス展に並んでいるような高級なものを身にまとっているのね」と思うんだろうなあ、と思う。

 そういえば、去年はじめて仕事で来た時に、「おフランスから来るんだから、ルイヴィトンとか持ってても大丈夫ですよ」と言われた。日本では一般庶民、しかも主婦や学生がルイ・ヴィトンの財布から万札を出すのが実に庶民的な風景だが、フランスではルイ・ヴィトンを持ってる人は滅多に見かけない。ルイ・ヴィトンはそこら辺の一般庶民は持たないからだ。たしかに、わたしが「一般庶民じゃない人」とは交流がないから、見かけないってだけなのだろう。

 デパート内でちょっと休憩。仕事中にしょっちゅう耳にした「スタバ」に連れて行ったら、JPが一気に不機嫌になった。スタバなんかにはおいしいコーヒーは置いてないからだ。ノエミが「マンゴーとレモンの名前がついた意味不明な飲み物」を飲みはじめ、ゾエが気分悪そうにしてたので、地上のイタリアンのカフェに出直して、イタリア製のケーキとアイスクリームのセットをごちそうした。子どもたちの機嫌も治った。

 さあ、これから新幹線で彦根へ。みんなはドロドロに疲れ切ってる。

 4人で姉のマンションはちょっと無理なので、彦根駅前のビジネスホテルに宿をとっておいた。でもお部屋の準備ができるまで、姉の家に行ってシャワーを浴びることに。その時になって、ゾエの服を一着も持って来ていないことに気づくJP。どーすんの、アンタ。
 ゾエは飛行機酔いで、乗っていた15時間の間ずっと吐き続けていたらしく、服は濡らしていなかったものの、やっぱりなんか臭い。本人も気持ち悪がっている。お風呂に入れてる間に、近所のスーパーに行って服や靴下の買いだめをした。

 ノエミはセーラー服に憧れていたので、従姉の制服を借りて記念写真。

夕方ホテルに入ると、みんないっきに爆睡。その間、わたしは剣道のお稽古。今年全日本剣道連盟からの派遣で、トゥールーズにいらした先生が、なんと、滋賀県の方で、彦根でもよく稽古をされるとのことだったので、わたしの帰国に合わせて、彦根まで稽古をつけに来てくださった。
 「フランスではお世話になり」とご挨拶され、みんなは「あの人、八段の先生に頭下げさせてるぜ」とウワサされている感じだった。そんなザワメキの中お土産を頂き、なんと、先生から新しい胴までいただいた。
 姉もわたしのために新しい道衣を用意しておいてくれ、小手と面も新調するように、注文してくれた。その日、わたしたちは、はじめて、姉妹で道場に立った。姉の剣道姿に憧れて剣道を始めたのだ。お互いに、やめなくてよかったなあ、と思う。どこに行っても剣道の友だちが助けてくれた。困った時にはいつもいっしょにいてくれた。ここでこうしてまた、新しい先生にも出逢った。剣道の先生や先輩、友だち、そして道場に、いつもいろんなことを学んでいる。それは姉も同じだと思う。JPとも剣道のおかげで知り合ったし。(でも彼はもうやめた)

 剣道から帰ると、みんなは目を覚ましていて、近くのコンビニで買ったお弁当を食べ終わったところだった。

 一日目から夜の町を出歩く母に、いきなりほっぽり出された、かわいそうな家族なのである。。。
ああ〜〜、ゆるして〜〜。

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