2008/04/26

バカンス〜〜



 春休みも終わろうとしている。JPは、子どもたちの春休み二週目に、一週間の休みを取った。屋根裏部屋の改修工事でもやってくれるのかと思ったら、実家に行くというのである。ああ〜。
 5日間のうち、3日は大雨だったのだが、残りはいいお天気となって救われた。
リル・シュル・テットという所に、二時間ぐらい掛けて行ってみた。砂の山が、風でボロボロに崩れた、壮大な風景の見られる場所だった。崩れた山肌は、ひだののようになっていて、《パイプオルガン》という名前がついている。
私たちは近くの野原でピクニックをした。JPはレストランに連れて行ってくれると言っていたのに、子どもたちにピクニックのほうが良いと言われてしまった。


 雨が降った最初の3日に、本をたくさん読んだ。
『ぼくが電話をかけている場所』レイモンド・カーヴァー(2回目。オチがなく、いつの間にか終わっている短編に、なぜか余韻だけが残る。不思議だ)
『水は答えを知っている』江本勝(お水にありがとうのいつもの友人『か』お奨め書。心温まる言葉を浴びた水は、心まで温めてくれそうな結晶になる。写真がきれい。)
『センセイの鞄』川上弘美(オチに味あり。でも、期待はずれなオチだったな?川上さんの文章、けっこう好きかも)
『袋小路の男』絲山秋子(ついこの前に続き、すでに2回目。クセになりそう)
『11人いる!』萩尾望都(実家にあった漫画。SFはあまり好きじゃないけど、つい読んでしまった)
『重耳(上)』宮城谷昌光(中と下まで全部読む根性、あるかな?とっても面白い)

 本をたくさん読むーーというのがこの春休みの目標だったので、持って行った本が全部読めて嬉しかった。おまけに、義母の婦人雑誌も片っ端から読みあさり、料理のレシピをたくさん切り集めて来た。パソコンのチェックは一回だけやった。日本語で返事できないのを理由に、おおかたは見ていないことにした。。。。以前は、パソコンが1日でもチェックできないとイライラしていたのだが、このごろのわたしは、なにが優先か、ちょっとわかってきたのかもしれない。


 おととい、ナルボンヌから帰って来る時、後部座席で娘たちが姉妹喧嘩を始めた。喧嘩と言っても、ご機嫌なゾエが鼻歌を歌い始め、それが30分以上も同じフレーズなのに腹を立てたノエミが『うるさい。やめろ』を三百回ばかりコピーして、ついに、両親までキレた。こいつらは、まったくもって、限りなく、病的にしつこい。
『ルルルンーやめてよ。ルルルンーやめてよ。ラリラリーうるさい。ラリラリーーうるさいー。タララ〜ーおんち。タララ〜おんち』が一時間以上も続き、気が狂いそうになる。
『ルルルンーおんちーいい加減にしろー2人とも静かに』の四拍子が、
『ラララ〜うるさいー耳が痛いー2人ともアホ臭いーケンカが幼稚ー程度が低いーいい加減にやめてー降ろすよー降りたいー』連発、苦しみの九拍子になり。もう拍子も取れない。
 終いにはなぜか知らないが「お母さんはわたしよりもゾエを愛しているんだ」の、ノエミ音頭が始まり、JPがイラつきはじめる。
「こりゃ〜いけないなあ〜。もーやだな〜」と思っていたら、車が、《ぷすっ》と、本当に《プシュッ》と、炭酸が抜けるように、まるでくしゃみをするみたいな音を立てて、《ヒョロ〜〜〜〜》と停止した。
「もう全然走る気なし」って感じだった。

 ノエミがついに黙った。家出するとか言ってたクセに、今度は「緊急の電話を探してくる」と言って、道路脇を走って行く。(こんな時に限って携帯は充電切れ)
 電話を掛けに行ったJPと交代してボボのおもりをするとノエミが張り切って言い、不安がってるゾエに優しい言葉をかけ、まあ〜そうこうしているうちに、近所のガレージからトラックが来てくれたので、わたしたちは知らない田舎のガレージに車を預けて、タクシーでカーモーまで帰って来た。

 カーモーに着いた時には、もう誰も怒っていなかった。そして、みんなで五体満足、帰り着いたことにだけ、ほっとした。
大急ぎで用意した、ハムとトマトソースだけのパスタに、誰も文句を言わなかった。

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