2007/07/31

オリーヴの香り


 

 朝から晩まで、夜中まで、そして朝まで。。。パソコンの前に座っている。
「仕上げ」が進まないので。でも、あと一章。
 昨日は、ユダヤ教会のことや、ユダヤ教徒の成人式のことなんかを調べているうちに、一日が終わってしまった。途中、友だちとおしゃべりに花が咲き、気分転換しながら。原作を読み直したり、書き直したりしているうちに、泣けて来るので、よくない。

 夜もベッドの中で推敲をするぞ、と思っていたけど、ちょっと気分転換。
友人に送ってもらった『オリーブの香り』(近代文藝社 金子到著)を読んだ。最近、フランスに住んでいる日本人の書いたエッセイを二冊読んだが、どちらもものすごい観察力で、ため息がでてしまう。夕べ読んだ『オリーヴの香り』は日本から南フランスというきれいなところに派遣された、日本の普通の会社員の、半分旅行記、半分生活の記録。ガイドブックで人気のお店に行って、ショックを受けたり、おかしい。生き生きした文体が楽しく、三時間以内で読んでしまった。(わたしは読むのが遅いんです)強いていうと、この本は誤植と誤字だらけだった。推敲が足りなかったんだろうか。(人のふり見て我が身は。。。焦るう〜)
 「生活に慣れて来たら、いろんなことに気づかなくなってしまった。感動も薄れて来た」とある。それで、日本から親戚を迎えたり、町で観光客を見ては、反省したり、新しい感動があったりと、たいへん共感できる本だった。今度、コートダジュールに住んでいる友だちに、この本を送ってあげよう。ペン画の挿絵も素晴らしい。
 
 フランスで暮らし始めて、言葉も少しはできるようになり、友だちもでき、仕事もちゃんとやって、生活にはすっかり慣れた彼が、「おフランスかぶれ」に気づかぬまま、一時帰国をした。やがて、彼は日本で浮いてる《いやな奴》としての自分に気づく。
。。。。。抜粋。。。。。
1)海外に住んでいるというだけで特別偉いわけではないのに、妙な優越感を抱いている。
2)オフィスで国際電話をかけ、聞こえよがしにフランス語をしゃべる。
3)なにかと言えば「フランスでは云々。。。」と講釈する。
4)人前ではやたらと女性を優先させる。(筆者は男性)
5)人とぶつかった時、真顔で「エクスキューゼ・モア」と言ってのける。
6)自動車を運転する時、ウィンカーとワイパーのレバーを間違え、「あ、ここは日本だったね」などと白々しく照れる。
ああ、いやな奴!
。。。。。。。。。。

次回、日本に帰国の際は、しかと心に刻み付けておかねば。そして、前回の自分の姿がよみがえる。
そうかあ〜、いやな奴と思われていたのかあ〜。

 さて、全然知らない人から、メールをいただくようになった。その人は自己紹介で「わたしは普通の人です」と言った。
わたしの日記をいろいろ読んでいただいた、そのあとで、「わたしは普通の人」と言われると、「あなたは普通じゃない人」と言われているような気がして、楽しく(?)なった。
 それで、ここ2.3日の間ずっと「普通」ってどういうことかをいろいろ考えていたら、夕べ『オリーブの香り』で、自分はけっこういやな奴だったと知り、ちょっとショックだった。で、知らない人なのに、メールの交換が始まってしまって、ちょっと怖い。宗教関係だったら、どうしようとか。
注》以前この日記でお話しした(そしてさっさと抹消した)キョーカイさんとは、縁が切れてますので、ご安心ください。

 その、「普通の人」から、また別な人をたどって、この「普通の人」について知ることができるかもしれないと、いろいろと探っていたら、こんなビデオに遭遇してしまった。
http://www.youtube.com/v/ervaMPt4Ha0&autoplay=1

 JPが海軍の船に乗っていた時、出発の港での模様や、夫がどこにいるとも知れない数週間、数ヶ月の《岸壁の妻》生活や、港に戻って来てノエミと再会した瞬間や(ノエミはパパの顔を覚えておらず、パパさんかわいそうだった)、「行った先で死んでたらどーしよー」の不安の日々のことを思い出して、今朝このビデオを観ながら、たっぷり泣いてしまった。
 JPはものすごく《普通の人》だから、きっと、このビデオの人たちも《普通の人》だと思う。その中に《いやな奴》とか《いやじゃない奴》とか《普通じゃないっぽい人》もいるのかもしれないけど、となり近所でわたしとほとんど同じ生活をしているような、人たちだと思う。
 みんな早く帰って来れたらいいねと思う。

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