2007/07/14

新ちゃんがないた!



 天気がよかったので、倉庫の片付けをした。

 家庭用品やおもちゃ、着ない服などがわんさか出て来て、ゴミ袋に7つぐらい出した。なんでこんなにゴミを溜めるんだろう?
洋服や雑貨を整理して赤十字に出すように段ボールに詰めなおした。
 シーズンオフの服や、もらった服なども別な段ボールにきれいに整理しなおして、屋根裏部屋に上がる階段の下まで持って来た。
連休を利用してJPが屋根裏部屋の工事を進めている。「場所がないから早く工事終わらせて、棚を作って」という『切迫感』を与えないと、いつまで経っても終わらない。もう2年以上かかっている。

 よく働いた一日の終わりには、お楽しみの時間も待っている。
本棚もちょっと片付けたので、読みたい本が10冊ぐらい絞られた。寝るまでの2時間で終われそうな本を1冊に決めた。10冊も読めないんだから、本棚においてくればいいのに、候補は常にベッドの周りで雑然と順番が来るのを待つ。

 『新ちゃんが泣いた』(文研出版)は、小学校中学年以上で読める子どもの本だ。
子どもの本の翻訳をやるようになってからは、子どもの本も読むように心がけている。この本は4月に出版社の人が、お奨めの本としてフランスまで持って来てくださった本の中の1冊。

 写真は、表紙の絵と、それから新ちゃんが泣いている姿があまりにも切ないので、背表紙もコピーした。

語り手の『おれ』は剛で、《新ちゃん》というのは表紙の絵で杖をついているほうの子だ。新ちゃんは《四肢性マヒ》という病気で、両足ともふにゃふにゃして直立するのがとっても難しい。それで1年生から4年生までは、町の、特別な学校に通っていた。5年生になって、たくましく、大きく、強くなった新ちゃんが田舎の小学校に戻って来るところから物語は始まる。
 
 新ちゃんとは対象的。健康で、元気で、スポーツ万能で、友だちは多く、お母ちゃんが怖くて校長先生の苦手な剛は、幼なじみの新ちゃんのボディーガードとして活躍する。でも、病気でみんなに親切にされてる新ちゃんのこが《うらやましい》学校の友だちに、いじめられて、悔し涙を流すのは剛の方。新ちゃんはクール。
 新ちゃんはめったに泣かない。笑い泣きと、感動の涙は流す。
でも、その新ちゃんが物語の最後に流す涙は、優しい言葉をかけて見守る、温かい心のお母さんに触れた時に流れる涙だった。
こんなお母さんになれたらいいなあ、と思って、わたしも涙が出た。

 本の中では、子ども達が感動したいくつかの本が話題になる。本嫌いの剛に14ページもの感想文を書かせて、自然の中に新しい喜びを見いださせてくれた、椋鳩十全集もそのひとつ。『山の太郎ぐま』については剛も紹介している。わたしは『マヤの一生』を持っている。

 椋鳩十さんという人は、故郷の指宿には縁の深い人で、母校丹波小学校の校歌は、この人の作詞だ。『久保田彦穂』という本名で作詞をされているので、彼が椋鳩十さんだと知ったのはずいぶん大きくなってからだった、と思う。

 松の若芽のすくすくと
 伸びて元気に天をさく
 みんな仲良く肩組んで
 素直に伸びる丹波の子

という歌詞だった。今でも忘れない。
  
 http://www5.synapse.ne.jp/tanba-e/kouka.htm

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