2006/11/02

なつかしいね〜

 お昼は、もう一人の友達の家に呼ばれている。「二日目はトゥーロン観光がしたい」と言っていたら、そのついでにお昼を食べに来たらいい、と言ってもらった。
子供たちは《と》さんの子供たちと気があって、よく遊んでいる。それで出かけたくない様子でぐずっている。11時頃ようやく家を出て、トゥーンの中心街に向かった。

 呼ばれている《ち》さんの家は、トゥーロンの《向こう側》なので、ノエミが生まれた頃に住んでいた《こっち側》を見せてあげようと思って町をうろうろしたが、朝市が出ていたので、路地に入ることができなかった。
 ノエミが生まれた時に住んでいた小さなアパートは、毎朝市の立つラファイエット通りのそばで、午前中は車が通れないのだった。そのすぐそばのショッピングモールへ行くことにした。

 まあ、言ってみればただのショッピングモールだ。別に、トゥーロンに来たからってこんなところを歩かなくても良さそうなものだが、そこには「ノエミが始めて経験したメリーゴーランド」がある。「始めておむつを買ったスーパー」「記念写真を撮った写真屋さん」などなど。
ノエミが生まれた時にはなかった、テレビゲームなどのカセットを売っている店があって、ノエミはヒョロヒョローッと酔っぱらいみたいにその店に吸い寄せられて行く。

 ノエミだってゲームは好き。でも、うちにはテレビでやるゲームはない。2年前に日本に帰った時、ゲームが大好きで外出時にも首からぶら下げて歩くような子供をいっぱい知ってる母は、ノエミもきっと喜ぶと思って、絶対に買ってやると言い張り、ゲームボーイを買ってもらった。ずいぶん高いおもちゃだ。孫にこーんな贅沢をさせているから、母はいつも貧乏なのではないだろうか。2年の間に揃えたカセットは3本だけ。まだどれも極めていない。大枚はたいて買ってくれた母には悪いけど(?)普段はまってるわけではない。
 でもその店でカセットを買おうとしたら、ノエミの2年前のゲームボーイは、今や発売されなくなった「旧式」だということがわかってショックだった。カセットの種類もとっても少ない。
 なのに、ノエミは「こんなお店はカーモーにはないから、カセット欲しい」と言って、自分のお小遣いで《獣医さんになろう》というカセットを買った。

 《ち》さんの家に着く。なんとか行けた。《ち》さんが今住んでいるお宅は、私たちがトゥーロンから引っ越す直前に住んでいたアパートのそばだ。《ち》さんと出会った頃私はまだ独身で、彼女同様ニューカレドニアに住んでいた。《ち》さんのご主人は私の日本語の生徒だった。二人の上の子が赤ちゃんの頃ベビーシッターをした。その赤ちゃんが170センチを超えるスマートな女の子になっていて、はやくも14歳だというから恐ろしくて、一気に白髪が増えた。
 そぼろご飯がおいしかったー!
《ち》さんと昔話が弾んでいる間に、ずいぶん遅くなってしまった。子供たちを連れて行く約束をしていた場所が、まだたくさん残っているというのに。そして明日には帰るというのにいいー。
 とりあえず《ち》さんの家から、当時住んでいたアパートに向かった。ちょうど私たちが引っ越す直前に、殺人事件のあったバーの前を通ったら、今も閉まっていた。アパートの前のパン屋さんは、大きくきれいに改装されていて見違えるようだった。アパートは変わらず。。。

 そこから、ノエミと毎日通っていた公園に行った。その公園には人口の池や川があり、鳥やヤギなどを飼っている動物コーナーもある。クジャクは昔みたいに放し飼いではなかった。動物公園の向こう側には、遊具のコーナーがあって、《ノエミ生まれて始めての滑り台》が、今も残っていた。 ノエミは自分で写真を撮っていた。

 薄暗くなって来たので、もう《と》さんの家に向かわなければならない。帰りがけに、ノエミが生まれた海軍病院や、海軍専用のホテルなどを見せてあげた。モンファロンという山と海岸には行くことができなかったので、翌日、帰る前にでも寄るつもり。

 とにかく《ち》さんと子供たちに再会できてよかった。それから、昔住んでいた近辺もノエミに見せてあげることができてよかった。めでたし めでたし。

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