2006/10/14

マジシャン

 ノエミが骨折していた時に、ヴァイオリンも乗馬もお預けになって、ひどく退屈していたので、町の文化センターで《マジックの講習会》があるとわかった時に、迷わず申し込んだ。
《マジックペン》ではなくて《手品》のことです。

 でも申し込んでから「片手でも出来るのかな?」と不安になったが、講習会の2日前にギプスが取れる予定ではあったので《いちかばちか》でいちおう予約だけ入れた。そうすると親は入場料がただになる。うほほ


 いよいよ当日。
2時から4時まで《マジシャンになるための講習会》が催された。
2時間でマジシャンに慣れるとは、すごいなあ。

終わった頃に迎えに行くと、子どもたちはみんなプロのマジシャンからもらったカードセットなるものを手に、文化センターから出てきた。
ノエミは家族を相手に習った手品を披露したくてたまらない。ちょっとうるさくなって来た。
「いまネタを見せられたら、あとで面白くないじゃないの」って言ってるのに、全部やりたいらしい。
 カードの手品は、大きな仕掛けというよりも、数学的な計算と記憶力がものをいうのだそうで、ノエミの得意分野だ。でも、カードを《らしく》切ったりするその器用さがないので、手元からバラバラと落としたりしている。やり直し。やり直し。なかなか熱心だ。

 夕方遅くに、おめかしした子どもたちと、大人が集まった。
講習会参加の子どもは10人までという規定だったので、10人分の家族が集まるだけだと思っていたら、入場料を払って見に来た人たちが大勢いて、会場には50人ぐらいの人が集まった。子どもが多くて、ものすごい騒ぎだった。

 10人のミニ・マジシャンのショーが始まった。
一番最初の子どもはロープを使ったもの。切ったはずなのに最後に手の平から長い一本のロープが出ると言うもの。会場からは《助手》が選ばれる。大人もけっこう喜んで参加している。
私もマッチ箱の手品の助手となった。
カードの手品シリーズが始まって、ノエミのクラスメートのテオが会場の隅に隠れるように座っていた市長さんを《助手》に指名した。テオのお母さんの顔が真っ赤になっていた。
 市長さんはカードを選ばされた。カードは会場のみんなによく見えるようにぐるっと一周し、束の中に戻される。
 最後に「あなたが選んだカードはこれですね!」と、自慢げに一枚のカードを掲げたテオ。
でも、そのカードは間違いだった。
「うっぷす」(おっとしまった、という時の口から出る音)
困っている市長さんと、口元に手をあてて、そこからはみ出た大きな目で市長さんに助けを求めるテオ。会場は一瞬水を打ったような静けさとなり、そのあと大爆笑が怒った。

 ノエミのカードゲームは「これですね?」と言って掲げるカードが実は間違いで、その間違って掲げたカードの番号の数だけ降り出していくと、本物のカードが飛び出すというゲーム。間違ったふりをして、その次にちゃんと指定のカードが出るという仕掛けだった。なかなか手が混んでいる。

 子どもたちのショーのあとはプロのマジシャンの出番だった。音楽も照明もあって、とても素敵なショーだった。
 

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