2006/09/16

音楽の日

 ノエミ、新学期はじめてのヴァイオリンのレッスン日。
夏休みもできるかぎり練習をした。
先週の会議では、去年同時期に始めたマリオンが「今年はヴァイオリンはやらない。夏休みもぜんぜんやらなかったから、すっかり忘れてしまった」と言っていて、半分がっかり、けれども生き残ったという《勝利》の笑みもちらり。
 「もっとやる気ある子かと思ったけど。。。」などと言っている。おいおい

 やる気があっても腕がギプスにおおわれていては証明できない。
先生もきっとがっかりするだろう。
会議の時に、ゾエにも試しにやらせてみたい、と申し出て、ちゃんと時間をとってくれたので、あさ2人を連れて音楽学校に向かった。

 ノエミがまたもや怪我をしてしまったので、先生もあきれていた。でも「乗馬をやめればいいのに」などとは言わないのがさすがだ。
 さて、ゾエちゃん。
わたしのお尻に張り付いている。
朝からあんなに張り切っていたし、なにより、去年度一年間、ずっと「わたしもヴァイオリンをやる!」と言い続けていたのに。。。
ぐずぐずしている間に、先生にお客さんがあった。ちょっとお話をして戻って来た先生はかなり不機嫌だった。ぐずぐずしているゾエにもいらだちを見せ始めた。
 先生はきっと、「こんな小さい子。お母さんがやれと言ったに違いない」と思っただろう。

フランスでは三歳ごろから音楽をやらせたりするのは一般的ではない。ゾエのクラスでなにか習い事をやってる子はほんとうに少ないと思う。ノエミがヴァイオリンをやってるといっても、「小さいのに、たいへんじゃないの?」と言われる。
 でも、この先生は「小さい時から始めたらいい」と言ってくれていたのだ。
結局ゾエは泣き出して、楽器に触ろうともしなかった。残念。
「ノエミが治ったら、いっしょに連れて来たらいい。ヴァイオリンに触らせてあげるから」と言ってもらえた。そうですかあ。

 あとでゾエは、「知らないおじちゃんだった。恐かった」と言っていたが、前にも会ったことはある。でも、たしかにちょっと不機嫌ではあった。子どもはそういう雰囲気を敏感に感じるものだろうか。

 その晩、近所の田舎の小さな教会で、フルートとヴァイオリンのコンサートがあったので、家族で出掛けていった。
 ヴァイオリンはノエミの先生、フルートも顔は見たことのある、音楽学校の先生だった。
息のあったコンビ。マイナーな作曲家を中心に、どんどん新しい曲に移っていく。とても楽しいコンサートだった。わたしは小学校の四年生から高校生ごろまでフルートをやっていた。

 この週末はヨーロッパ中で「文化遺産の日」というのが催されていて、普段開放されない文化財が無料で観覧できたり、博物館、コンサートなどが無料だった。このミニコンサートもその行事のひとつで、無料だった。でも田舎の小さい教会なのでお年寄りばかり30人ほどのコンサート。

 最後に、《文化財》のマリア像に捧げられた『アヴェ・マリア』がとても素晴らしく心に響いた。子どもたちも大喜び。ゾエも、ヴァイオリンの先生が面白いおじちゃんだというのが分かって、よかった。

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