2006/06/28

お誕生会

 ノエミがクラスメートのテオ君の誕生会に呼ばれた。連れて行ったら、「コーヒーでもどうぞ」と誘われて、ノエミ以外に招待されていたママ連たちと、お茶することになった。
 知らない人のいっぱいいるところでお茶するのは、かなり苦手だ。そこで、興味ありげに、いろいろ質問されるのもいやだが、いかにも興味ありませんというふうに、無視されるのはもっと居心地が悪い。
 本日はお誕生会に呼ばれて来たのだから、ホスト役のご両親がいろいろ気を遣ってくれて、そこに居た人たちに私を紹介してくれたり、失礼にならない程度との思いやりがわかる態度で、程よく私のことを訊いてくれたり、ノエミのことを誉めてくれたりした。

 テオのお家は、丘の上の高台にあって、塀も壁もない代わりに、ご近所の目もない。庭に立って360度見渡せる家にお邪魔したのは、久しぶりだった。お家の人は庭を、裸で走り回っても、きっと大丈夫だろう。プールがあって、20人ぐらい招待していた。

 招待されると招待仕返すのがしきたりだが、「招待するのが申し分けない」ということもたびたびある。おまけにテオの弟のユーゴーとゾエが同じくらいの年齢なので、「ユーゴーのお誕生日にはゾエちゃんを呼ばせて」と言われてしまった。2人とも呼ばれたら、ご両親さまを夕食にご招待とか。。。そういうことまで、普通だったら考えねばならない。

 「ゾエは夏休み中だし、ノエミは冬休み中なので、誕生会はしないんですけど、いつかお茶でも飲みに来てください」などと言って、とりあえず逃げた。まずい、これではできかけたお茶友を失う。

 テオのお父さんは町で眼鏡屋さんをやっている。お母さんもたぶん仕事していると思う。いつも仕事に行くような化粧をして、キャリアウーマンみたいな服を着ているけど、じつは専業主婦かもしれない。おとなしい女の子が2人居て、私はこーんなにやつれているのに、学校でも一番という暴れ者の男の子が2人も居るお母さんがあんなにきれいなのは、絶対なにか、ある。お家もあーんなにきれいだった。どういうことだ!?

 テオのお父さんとお母さんは、雑誌から抜け出て来たようなカップルだ。
 お父さんは、バービーの恋人のケンみたいに、笑うときらっと輝く白い歯に、最先端のスーツなんか来ている。プールサイドで身につけていた水着も、今年人気の柄で、色も褪せていなかったから、去年は履いていなかったに違いない。
 お母さんは、こめかみにシャネルのロゴがどーんと入ったかっこいいサングラスを、スターみたいに頭の上に載せている。「ケン」の横に立っていると、本当にバービーみたいだが、身長が足りない。私よりも背が高いけれども、私と同じで「16歳用の服が入るから安上がり」と言っている。

 敗北感にまみれて帰宅したが、じつは思っていたよりもとても感じのよい人たちで、おしゃべりは楽しく、もしかしたら相手に合わせてくれるという、優しさを持った人たちなのかなーと期待できた。ユーゴーのお誕生日で、また会えるのが、じつは楽しみだ。

Aucun commentaire: