2006/06/07

遠方よりの便り

   つい先日、カーモーで会ったばかりの「あ」さんが、もう南の島に着いたという知らせが届いた。フランスから飛行機で24時間以上飛ばなければ行けない島だ。時差は7時間もある。日本からだったら9時間で行け、時差はたったの1時間。

「あ」さんはニューカレドニアという、フランス海外領土の島に住んでいて、フランスの公立学校で正式に日本語を教えている、フランス共和国の公務員だ。

 わたしはニューカレドニアという島の、ヌメアという町に5年半住んでいた。

 ちょうど「あ」さんから「帰り着きました」という知らせがあった頃に、ニューカレドニアでいっしょに剣道をしていた「リタさん」からもメールが来た。クラブの近況や、彼の家族のこと、島の友人たちの近況を訊くことができた。

 「リタさん」は、ヌメアでもっとも長く、親しくつきあっていた大切な友人の一人で、私がヌメアに到着してから、旅立つまでの毎日の出来事を、事細かに覚えている。ヌメアを出てからは音信の途絶えてしまっていた、昔の下宿先のことを聞いたら、私の下宿先をわざわざ訪ねてくれた。下宿させてもらったいた家族の近況を知らせてもらえた。

 私は下宿の息子さんに、日本語を教えていた。出逢った時にはその子はまだ9歳で、私よりも小さかったが、とても頭の良い子で、五カ国語ぐらいをペラペラ話すことができた。日本語なんかすぐに話せるようになった。その子といっしょに日本に行ったことも何回かあるし、彼は一人で指宿の両親の家に滞在したこともある。両親はその子のことが大好きで、去年と一昨年に帰った時にも、その子の話が出た。

   グアドループからも久しぶりにメールが来た。グアドループというのはカリブ海に浮かぶフランス海外県の島だ。2004年に翻訳した『サトウキビ畑のカニア』という本の著者であるピションさんという方は、その島に住んでいて、島の子どもたちの身近な話題をテーマに、小学生ぐらいの子どもたちを対象にした小説を書いている。

この6月に新しく《アメリカ・インディアン》に関する本を出版するので、そのご報告をいただいた。できればまたその本も訳したいと思っていて、すでに下書き原稿はいただいている。いよいよフランスで出版されるので、新しい本を送ってもらうのを楽しみにしている。

   南の島々が懐かしくよみがえった一日だった。

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