2006/05/21

馬に馬鹿にされる

   JPが軍人や、肉体労働者だった時には、職場の同僚と顔を合わせたことがなかった。JPにとっては同僚は同僚でしかなく、いっしょに働いている人のことを「友達」と呼んだことはなかった。家に連れて来たこともない。

 公務員になってからは、職場でゾエの出産祝いももらったし、会議室で出産記念パーティーもしてもらったし、クリスマスには毎年農業高校の講堂を借りての、盛大なパーティーに呼ばれるし、定期的に遠足もある。職場の人とお稽古ごともできるサークルがある。

ノエミはこの夏休みに、職場で働く人たちの子どもといっしょに、グループで乗馬キャンプに出掛ける。親元を離れ、県外の山奥で三週間。

 今年の《遠足》は、乗馬付きピクニックだった。

うちから北西に60キロほどの、すごい田舎のほうに出掛けた。県外に出て、建物や町の風景もずいぶん変わった。森がたくさんあって、道路脇に鹿の親子が飛び出して来た。

 乗馬のクラブは《エルフブラン》という名前で、巨大な建物群だった。全体的に木造建築。清潔で設備の行き届いた、ノエミのポニークラブとは規模が違っていた。

そこでは、乗馬チャンピオンを育てたり、企業研修で馬の世話をさせたりもする宿泊設備も整えていた。馬を使った曲芸や、踊りなどのできるステージもあった。

 数年前にも乗馬付きのピクニックがあって、その時は、一日中馬に乗っていた。午前中は馬に乗って、馬場をぐるぐると走る練習。午後は、練習した馬に乗って、森や林を歩いて、とても楽しかった。

 今回は、趣向が変わっていて、馬に乗らずに調教する技を習ったり、馬車に乗って猛スピードで走ったりもした。

 馬を鞭で打たず、ただ馬のそばに立つだけで、左右自在に向きを変えさせたり、走らせたり、止まらせたり。。。とっても難しいのだが、この私でもできるようになった。

 私は馬が恐いので馬はすぐにキャッチして、そういう人間を《馬鹿》にする。馬は頭が悪くて、教えたことを決められた通りにしかできないので、こちらも決まりを守って動けば何でも言うことをききます、と言われたが、こっちが怖れていることを見抜けるとは、これは頭が悪かったらできないことではないだろうか。勘がよいということ?

 午後は、馬に《馬乗り》になって、手を放したり、馬上で身体の向きを変えたり、馬の背で四つん這いになって、片足をあげたり。。。そーんなすごいことまでやらされた。

馬が賢いおかげと、調教師が上手なおかげで、素人が背中に立ち上がっても、振り落としたりしない。「なんで馬の背中でこんなことやってるんじゃあー」と思いつつも、けっこう面白かった。

 最後は、身体の向きを変えて、馬のお尻のほうを向いた格好になった。

「ハイ、そこから跳び箱の上でやるみたいに、両手を馬のお尻に付けて、滑り台みたいに飛び降りてくださーい」

馬の背は1メートル60センチぐらいの高さ。

「滑り台」がちょっと恐い私。(滑り台で骨折した経験あり)

馬のお尻(バケツ?)は、熱くて、汗をかいている。

お尻に手をおいて、勢いを付けて飛び降りた。

カーボーイハットを被ってくればよかった。私ってかっこ良かった。

 ゾエとノエミも子供だけのクラスで、曲芸を楽しんでいた。

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