2006/04/27

出発

 子どもたちは、祖父母に連れられて、朝早くに出て行ってしまった。
祖父母の住むナルボンヌによってから、コートダジュールのニースという所に行く予定だ。
コートダジュールだけでもかなり豪勢なのに、ニースなんていうリッチしか住んでいないんじゃあないの?と思うような街に行くとは、華やかなヴァカンス。

 実はJPの祖父母はニースの出身で、ニースの内陸の方に、先祖代々のアパルトマンがある。一度いったことがあるが、その時には廃屋と化していた。うわさによると今はきれいにして、寝泊まりできるらしい。きれいになってからは行ったことがない。

 JPは、観光地も、コートダジュールも好きじゃあないので、一生行くことはないと思う。
 ノエミはトゥーロンという街で生まれた。マルセイユからニースに行く時に通るところだ。その頃に日本から友達が来たりもしたので、ニースにもモナコにも行ったことがある。
ニースにはシャガールの美術館があって、そこはとても好きだった。
ニースは映画祭のあるカンヌのすぐそば。ニースもカンヌもモナコもきいただけで《派手そう》と思ってしまう。

 子どもたちが居なくなったので、私は前から楽しみにしていたウィンドーショッピングをすることにした。と、言っても、ウィンドーのない店。
 家具屋をたくさん歩き回った。家具を買うためではない。そんなお金はないので、自分で何か作ろうかなーと思っている。それで、今どきの家具がどんなものか、見てみたかったのだ。仕組みとか、作り方を丁寧に観察してメモした。面白いアイディアがたくさん湧いてきた。
日本風、中国風の家具が人気らしい。

 家に帰って、JPのお母さんが持って来た大量の婦人雑誌や、室内装飾の雑誌を眺めた。そして、台所の脇に置きたいと思っている電話台の設計図を描いた。
うまく描けた。でも、うまく描きすぎて、とっても豪華な家具になってしまった。
そして結果的には「こんなにすごい家具作れなーーーい」という羽目に陥った。

 とりあえずは、子供部屋の要らない物を片付けよう。物がありすぎるから家具が欲しくなるが、片付けたら家具なんか要らなくなるかもしれない。

要らなくなった物という物は、ノエミと私の世界には存在しない。
もらった物、買った物、使った物、気に入っているもの、拾った物、集めた物。。。そういった物は「要らなくなる」ということがない。一度手にとったら、それがとっても好きなら特に、愛着がわいてしまう。腹を痛めて生んだ子供のような気がして来る。捨てられない。まだそこにいて欲しい、要らなくなるまで。。。。

 とりあえずはその辺一体に散らかっている、本とペンと紙の山を片付ける。私の机の上と全く同じスタイル。ノエミの紙の山の下からは、石ころや古くぎが出てくる。
「なかなかきれいな石を拾ったね」と思ったら捨てられなかった。
捨てない代わりに、私の机の引き出しに片付けた。一応ここで数週間隔離して、思い出さないようだったら捨てることにする。

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