2006/04/06

久々に汗

 久しぶりに剣道に行った。
ドレイ先生は赤ら顔でぜーぜー言いながらも、わりと元気そうだった。
7時半に始まると思って余裕を持って出掛けたのに、もう始まっていて恥ずかしい思いをした。

 今年はチェロをやりたかったので、剣道のクラブには正式に申し込んでいない。生きたい時にふらっと行っている幽霊部員だ。
全フランス剣道協会。。。とかなんとかいうのがあって(正式名は知らない)そこに年会費を払って《スポーツパスポート》をもらう。(剣道はスポーツか?)保険だとか、試合出場資格だとか、全部パックになっている。
 私は試合には出ない。そのパスポートを持っていたら団体戦には出場する権利があるけれども、うちのクラブには5人の選手をチーム編成するには弱小すぎるので、団体戦には出ることができない。それに、みんな趣味で剣道やっている人たちだから、試合に出るとか、昇段試験を受けるといったことには、あまり関心なさそうだ。

 私は(何度も言うけど)税金を払おうが、年会費を払おうが、日本人だから、個人戦には出れない。日本人の私がフランス・インターナショナルチームや、フランス・チェンピオンになってはまずいのだろう。(まさか そんな。。。)
そしてまた、わたしも、試合はどうでもいいのだ。

 何か習い事をしている人は、どこかで発表の場が持てるのはいいことだと思う。目標ができるし、参加して誉められたり、失敗したりして、得るものはいっぱいあるから。この歳になって誉められることは、だんだん少なくなった。叱られることもあまりなくなった。目標を持って、コツコツやることも減ったような気がする。この歳になってもまだまだ何かを教えてくれる先生が居て、叱られたあとにちゃんと誉めてもらえたりするのはとても幸せだ。叱る分はちゃんと誉める段階まで育てなきゃならないので、先生も大変だ。

 4月の13日から18日にかけてトゥールーズに剣道をしに行く。日本から先生方がいらっしゃるし、パリからも先輩や友達がやって来る。剣道のあとには、道場にシートを敷いて飲み会もある。みんなが持ち寄ったもので小さなパーティーをする。私は以前は毎年焼き鳥とまき寿司を持って行っていたのだが、引っ越してからはトゥールーズの道場まで片道2時間以上は掛かるので、お店で買ったチップスを持参するつもり。剣道クラブの友達にまき寿司の作り方を教えてあげたので、彼が私の分まで作って来てくれるだろう。

 出掛ける前に家のことをやって、子どもたちに「お母さんは私たちを見捨てて剣道なんぞをしに出掛けた」と思わせない手だてをいろいろ考え、ぎりぎりまでうちに居てあげて、さっさと帰って来なければならない。往復4時間も掛かる。トゥールーズに泊まり込むというてもあるが、そうすると家族を見捨てて剣道なんぞにはまり込んでしまうことになってしまいそうなので、それはちょっとまずい。朝ぐらいは家族の顔を見たい。

 実はフランスには、剣道なんぞのせいで家族を犠牲にしたり、離婚したりする人がいっぱい居る。見ていると多くの人が「剣道いのち」だから「これじゃあ、船乗りや山男をダンナに持つのと同じだなあ」と思うことがある。でも、うちのダンナがもっと「剣道いのち」で、子供もみんな剣道をやっていたら、私も家事を放り出して剣道三昧できるのになあ、とチラと思うこともある。
一緒にトゥールーズに泊まり込んで、朝から晩まで剣道することもできるかもしれない。休みといえば剣道の講習に行き、日本に帰国してまでも剣道をするかもしれない。ちょっと恐い。

 私は、ひまひまで気晴らしできたら、いまのところそれでいいと思っている。
久しぶりに道場を走り回って、とっても気持ちよかった。
帰宅したら子どもたちはちゃんとお風呂に入って寝ていたので、うれしいやら淋しいやらだった。
一人だけで好きなことをするというのも、ちょっと空しい。

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