2006/03/04

サーカス

 3月4日、バカンス期間中最後の土曜日。

 宮崎駿監督企画、高畑功監督の「ぽんぽこ」というアニメを見に行った。
日本では「平成狸合戦」というタイトルらしい。
住宅地拡大のために林を追い出された狸たちが、人間に化けて人間の生活に溶け込もうとする、面白い映画だった。たくさん笑った。でも、やけにリアルな物語だった。
  
 フランスではジブリの映画が大人気だ。うちの子どもたちも『ちひろ』や『トトロ』が大好きでのえみは図書館で『ナウシカ』を借りて読んでいる。

 映画館を出て、町の広場まで来たら、広場に小さなテントが見えた。
「何があるんだろうねえ」と言いながら、テントのまわりを散歩していると、お隣のメリオッサンとアナエルがやって来た。メリオッサンとアナエルの両親は、カーモーで唯一の《私立劇場》を経営している。お父さんは曲芸師で、お母さんは照明係だが、それぞれよその舞台に出ていることが多く、子供はうちで預かることもしばしばだ。そこではジャズのライブや漫才などもあって、メリオッサンが遊びに来るついでに、招待券を持って来てくれる。

 そのテントでは、今晩限りのサーカスが催されることになっているらしい。子どもたちとしゃべっていたら、メリオッサンの両親がやって来て、テントの中に案内してくれた。
簡易のベンチが五・六段、真ん中に曲芸などが行なわれる小さなステージがある。
 夜のサーカスを観においで、というので、一旦帰って、食事してから出直すことになった。

 8時半からの予定だったが、あとからあとからやって来る観客の対応に追われて、始まったのは9時過ぎていた。三人組のピエロで、たくさんの小物を使っての楽しいサーカスだった。
ゾエがゲラゲラ大声で笑っていたので、人々は振り返って、ゾエの笑うのを観て笑っていた。
 
 サーカスのあとにはジャズ風な、ブルース風な、ロック風な、よくわからないバンドが来て、歌ったり踊ったりした。とても楽しい夜だった。

 親子で夜の催しに出掛けることは滅多にないので、なかなか興奮した。
冬休みもあっという間に終わってしまった。

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