2006/02/20

しらーんぷり できない しれーん

 我が家のあるカルビニャック通り近辺、ジャン・ジョレス地区一帯、うちから半径約2キロか3キロ(たぶんもっと)の地域住民は、きっと一睡もできなかっただろう。

 日曜日の夕方6時ごろ、台所でラジオをつけた。鳥カゼ菌のニュース、そのあとコンサート情報を聞いていると、バックで耳障りな音が鳴り続けていることに、ふと、気づいた。何が耳障りなのかわからないのだが、イライラして来て、じわじわと神経逆なでられて行くのがわかった。

 昔「ポケモン」などのアニメを見ていて、肉眼では見えない映像を、定期的、瞬時に流して、子どもたちの脳波に異常をきたした。。。というような電波障害があったとおもう。そういうのかな?と思ったので、慌ててラジオのスイッチを切った。

 ところがその不愉快な音は、ラジオから来ていたのではなかった。

 我が家は三叉路がぶつかる地点、T路の縦棒が横棒に交差する地点にあり、台所からジャン・ジョレス公園の入り口まで一直線に見渡すことができる。その道路のほうから、「シレーン」が鳴り響いているようだった。「シレーン」というのは「サイレン」のことだ。
 
 最近では「シレーン」を搭載している自動車が多いので、路上駐車の車かな?と思って、玄関ドアを開けてみた。でも自動車用のシレーンとは音が違うみたい。
 それから、その道路は大きな家が6軒ぐらい並んでいるので、冬休みの留守宅に泥棒が入ったのかな?と思った。その6軒のうちの1軒は、数週間前に奥さんを亡くした老人が一人暮らしなので、走って行ってみようかと思った。

 玄関前で耳を澄ませて、音の出所を探っていると、前の道路から車が来た。10軒以上先のほうに住んでいる人だったが、うるさいので来てみたと言っている。警察を呼んだ方がいいと言われたので、二階のJPに「警察に電話してよ」と叫んだ。

 私が叫んでいるので、やあっとシレーンが聞こえたJPが降りて来て、警察に電話する前にちょっと出てくると言い、マイペースで靴のヒモを結んで、ちゃんと傘をさして出掛けた。道路を行ったり来たりしている。しばらくして音の出所を突き止めたらしく、立ち止まってうちから二軒先のお宅の玄関ボタンを押していた。

 そのお宅には家人がちゃんと居て、玄関の灯りの下でJPとなにやら話している。

 結局、我が家からは警察には電話しなかった。何かの間違いで家の警報を鳴らしてしまったのだが、止まらなくなってしまったらしい。警報機は屋根の上の、更に上の煙突のてっぺんについており、今や独自のバッテリーで自動的に鳴っているわけで、家の人には手のつけようがないらしい。「コンセント抜く」とかできないらしい。誰にでも簡単に電源を切れたら、役立たず警報ということ。

 警報機を取り付けた警備の会社に電話したけど、泥棒じゃなかったので警察には連絡されない。(ご近所がみんな電話したとは思うけど)修理の人は夜には来ない。雨が降っていて危ないし、とっても高いところなので、普通のはしごでも無理。なんで消防自動車は来てくれなかったんだろう。警察でも消防でもどうしようもないものなんだろうか?

 と、いうわけで、18時ごろ鳴り始めたと思われる警報機は、一晩中鳴り続けた。いっやあー参った。ゾエは「恐い、恐い」と言ってうるさいし、ノエミは「うるさい。うるさい、気が変になりそう、ああ。うるさい!!」と言ってうるさい。「ピーピーピーピー」と一秒間隔で、月曜日の8時過ぎまで鳴り続けた。

     続・「しずくの拷問」

 我が家はガラスが防音二重サッシで、泊まりに来た人が「外を走る車の音とか、全然聞こえないねー」というようなご立派な窓で、雨戸も閉めているが、シレーンはやっぱりシレーンなので、ちゃあんと聞こえた。一晩中同じメロディーが一秒間隔というのは「神経逆なでる」の問題外だった。

 子どもたちでさえ、ほとんど眠れなかった。我が家で寝ていたのはJPだけ。やっぱり。。。

 月曜日の今日、どんなに寝不足でも、みなさんお仕事に出て行かれる。わたしはJPを送り出すために7時に起き、目覚ましを掛けて8時半まで寝ていた。でも、シレーンがいきなり、ぷつっと鳴り止んだのは8時ごろだったので、結局寝不足は取り戻せなかった。

 あのお宅は次回こんなことが遭ったら、JP以外は誰も助けに行かないんじゃあないかしら、と思った。シレーンが鳴らないことを祈る。

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