2006/02/05

行事

 日本式の節分もすっかり忘れていたが、この週末はフランスではクレープを食べることになっていたのに、クレープを作らなかった。
 
 いまさらながら辞書で調べたら、2月2日は《聖母清めの祝日》なのだ。そして《主の奉献の祝日のクレープ》を食べる日だそうだ。
 なーんだ、もう三日も過ぎてたのか。。。どうりで一ヶ月ぐらい前から、町でよく小麦粉セールや、フライパン・セールをやっていると思った。。。

 フランス人は家にみんな特製のクレープ機を持っている。電気式であったり、火にかける特製のフライパンみたいなクレープ・パンだったりする。
うちにもちゃんと特製のクレープ・パンがある。でも作るのは下手。

 フランス人はそば粉で作ったクレープで、シーフードや肉や野菜を巻き、ソースを掛けて食べる人もいる。これはメインの食事にもなる。
 私はクレープでハムとかホウレンソウを巻いて、グラタンにするのが好き。

 子どもたちは薄力粉と玉子と牛乳で作った甘いクレープが好きで、ココアの粉や、粉砂糖を直接ふりかけて、細く巻いて、手でつかんで食べるのが好き。これはおやつ。

 一度《クレープ専門レストラン》に行ったことがある。剣道のクラブに日本から先生方が指導にいらした時のことだった。「クレープ屋に連れて行く」というので、日本人の年寄りにうけるかなあと思ったが、せっかくフランスに来ているんだから、フランスでの普通の家庭生活もみてもらいたいというのが、みんなの意見だった。前菜も、メインも、デザートも全部クレープ仕立てで、甘いか辛いかの差だけだったので、先生たちが胸焼けになりそうな顔をしていた。

 先生たちにとっては居心地の悪いレストランだったようだ。おしゃべりができない先生方が、食事の出て来る合間にタバコを出し始めたので、ぎょっとした。

 その剣道クラブの食事会では、クラブ員が20名ぐらいいて、それぞれの同伴者(妻や夫や子供)もいっしょだったので30名以上のフランス人がいたが、誰もタバコを吸う人がいなかった。もともと剣道やっている人でタバコを吸う人は少ないと思う。それまでクラブの集まりで、タバコの匂いなどを感じたことは1度もなかった。

 先生方が一斉にタバコを出して、灰皿を探してきょろきょろしていた時に、私の横にいた部員の奥さんが「食事中のレストランでは、タバコを吸わないでくださいと、通訳しなさい」と言った。
 私は、どんなふうに言ったらいいのか、先生たちに外で吸ってくださいと言ってもいいのか、ちょっと迷ってしまった。剣道をやっているみんなも「みのり困っているな」というのがわかっていたが、剣道をやっていない人には、いくら偉い先生でもただのおっさんなので、私の気持ちはわからなかった。

 私は勇気を出して「レストランではタバコを吸ってはいけないことになっているんですけど」とぼそぼそ言ってみた。そうしている間に、レストランの人が灰皿を持って来ていて、日を点ける寸前だったので、先生の一人に「灰皿もちゃんとあるじゃないの」と怒ったように言われた。

 私が困っていると、部員の奥さんが「灰皿はタバコを消すためにあるんですよ」と言った。
なるほど。そのせいだけではないだろうが、その時の先生方は、二度とこのクラブには来てくださらなかったけれども、まあ、ちょうどよかった。

 どんなレベルでも、習慣の違いを学ぶ姿勢が大切だ。

Aucun commentaire: