2006/02/02

言論の自由

 イスラム教の予言者ムハンマドを風刺したマンガが新聞に掲載されて、イスラム教徒の怒りをかっている。キリスト教の司教たちも「イスラム教信者の痛みがわかる」と行き過ぎの「自由」に批判の声。
 けれどもフランスの内務大臣サルコジ氏は「行き過ぎた検閲より、行き過ぎた風刺の方が望ましい」と言ったらしい。これ以上煽るのもどうかねえ。

 ヨーロッパ各地で建物や国旗が燃え始めた。

 「風刺」に関しては、日本よりもずっと盛んで、政治家をマリオネットにして笑うニュースもあるし、ラジオで政治家の悪口を言っても、首になったり左遷になったりすることもない。
 
 でも、報道がいくら自由だからと言っても「行き過ぎ」はよくないと思う。

 実は数日前から11歳の少女の誘拐が盛んに報道された。幸い子供は生きていて、容疑者も逮捕された。容疑者には逃げ道はない。少女の勇敢な証言とDNA鑑定その他の動かしがたい証拠で追い込まれたのだから。ほかにも犯罪を起こしていないか、取調中。少女が通っていた小学校のクラスメートたちが「私もされた」と手を挙げるのではないか。私は内心ヒヤヒヤしている。

 うちにはテレビもないのに、誘拐された少女や犯人の特徴、それぞれの本名と双方の家族構成、犯人が子供をどんな手口で誘拐し、どんなふうに犯し、どんなひどい言葉で脅迫をしてから、どこに置き去りにたのか。私たち視聴者は実に細かいことまで知らされている。ラジオを聴いているだけで、現場の様子や、犯人像までがありありと想像できてしまう。報道陣というのは「表現力」を売りにするだけあって、信じたくないことまで、耳から離れなくなってしまう。
 毎日報道されている少女の名前が、偽名ではないことも、木曜日から通常通り学校に通学していることまで知っている。

 家族の痛みと本人の勇気を思わずにはいられない。そして、犯人の妻と子供は一体どうなるのだろうか。

 言論の自由のおかげで、こんな個人的な日記まで公開してしまっているが、もうちょっとましなことを書こうと反省している。

「読まない」「影響を受けない」という自由もあるので、情報を受ける側にも期待したいところ。
日記を読んでの意見をお寄せくださいますように。
例えば2003年の猛暑の死者数、間違っていたので書き直しておきました。ご確認を。

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